様々な木材害虫

木材害虫のうち、一部を紹介します。

ヒラタキクイムシ

体長2.0~8.0㎜、淡黄白色のうじ虫状の幼虫が夜間、ラワン、ナラなど、東南アジア、アフリカ産のよく乾燥した広葉樹や竹の内部を食害します。 以前は、関東以南に生息していましたが、現在は東北地方、北海道にも生息が確認されています。

アフリカヒラタキクイムシ

西日本を中心に東海地域まで被害が広がっている外来種の害虫です。体長は2.5~4.0㎜と小さく、日中活発に活動します。

ナガシンクイ

オオナガシンクイは体長8.5~15.5㎜、チビタケナガシンクイは2.5~3.5㎜でともに黒褐色、円筒形に近い形をしています。ラワンなどの南洋材、アメリカやカナダからの輸入木材の大害虫で、木材表面を残して中をボロボロにします。穀物、植物の種子、果物も食べ、電話線、酒樽、コルク栓にも穴をあけます。繁殖期は3月~9月、とくにオオナガシンクイの成虫が大発生するのは梅雨明け、30℃を越すような夏。和風の土壁のこまい竹を食べるチビタケナガシンクイは年4回発生し、5月頃に羽化後、脱出します。被害の様子はヒラタキクイムシと似ていますが、ナガシンクイは産卵を終えた成虫が2~5㎜の穴をあけて再び木の中に入って加害するので厄介です。

シバンムシ

成虫は一般に小型で、短い半円筒形、頭部は下口式で前胸背板にかくれているのが特徴です。食性は食材性、食菌性に大別されますが、建築物や文化財に被害をもたらすものは食材性で、乾燥した木材や動植物質のものを加害します。古い木造建築物に大きな害を及ぼすケブカシバンムシ、マツザイシバンムシ、書籍の重要害虫であるフルホンシバンムシ、ザウテルシバンムシ、食品や薬草など乾燥動物質を広く食害するタバコシバンムシ、ジンサンシバンムシなどがいます。活動は夜で、コツコツと机をたたくような音をたてることからヨーロッパでは「死時計虫」と呼ばれ、日本では、寺院や倉、病院に大発生することから、死神の使い「死番虫」と書くこともあります。

ジンサンシバンムシ

日本を含む世界共通種。古来より「クスリヤナカセ」の害虫として知られる。和名のジンサンは朝鮮人参から由来。主に乾燥植物質を加害し、体長2.0〜3.5㎜。

タバコシバンムシ

日本を含む世界共通種。タバコ乾燥葉、穀物、種子などを加害し、体長1.7〜3.1㎜。木材害虫と間違われることが多い。